【英語上達の王道】おすすめの多読素材とツール
前回は「英語多読の正しいやり方と素材選定方法について」をお伝えしました。
今回は、おすすめの多読素材とツールについて紹介します。
また、おすすめ素材に関連にしてNPO多言語多読についても触れたいと思います。
おすすめの多読素材
- レベル別リーダーズシリーズ
- あらゆる洋書
- コミックス
おすすめの多読素材を上に3種あげてみましたが、まず正統派のためのレベル別リーダーズシリーズからそのメリットとデメリットなど特徴をあげていきます。
レベル別リーダーズシリーズ
レベル別リーダーズシリーズは、語彙制限を施してレベル別に作成された多読用のテキストです。
つまり自分に合ったぴったりのレベルであったり、逆にあるレベルの本を読んだ後の理解度で自分のリーディングのレベルがわかることがメリットです。
デメリットは、さまざまな出版社から幅広いジャンルの取り揃えがありますが、その中から本当に自分の読みたい本が見つかるかといった問題です。
「勉強」のための読書になったらつまらないですからね。
ここは大事なポイント。
面白いと思う本だから読もうと思うし、チャレンジする気になると思うからです。
レベル別リーダーズシリーズリスト
世界最大規模のタイトル数を擁するピアソンのグレイディッドリーダーズ。映画タイトルから古典、伝記、童話、ノンフィクションといった幅広いジャンルから選べます。
その他のレベル別リーダーズシリーズ
- Ladder Series
- Cengage Readers
- Compass Readers
- Cambridge Readers
- Dolphin Readers
- Oxford Read and Discover
- Oxford Bookworms Library
「N P O多言語多読」がすすめる絵本から始める英語多読
「N P O多言語多読」では、文字なしの「絵」(絵本)から多読を始めることを推奨しています。
絵(え)?
いえ、シャレではないです。
本当に文字なしの絵からスタートすること、TOEIC900点以上でもある例えばペーパーバックをスラスラ読めないと思う人は、全て0地点からスタートするのことを基本としているようです。
それから1ページ1行、「絵をじっくり読む」ことを優先しつつ徐々に文字とイメージを混ぜ合わせるような、そんな方法です。日本語を介さずにダイレクトにイメージすることに慣れていきます。
したがって、この方法では辞書の使用は厳禁です。
わからない単語は読み飛ばしていきます。どうしても「わからない」ようであれば捨てる(ツンドク)という3原則に従って行います。
ゼロ地点からゆっくり英語→(日本語)→イメージという回路を作る。
脳に時間をかけてゆっくりと大量の英語を浸透させ、ストックしていきます。
ところで、「NPO多言語多読」の方法論についてこれまで読んでいただいた「一般的な多読」と「NPO多言語多読」の推奨するより厳格というか、方法論化された「多読法」は少しニュアンスが異なっていることに気づかれたのではないでしょうか?
このあたりを一旦ここで整理しておきます。
上記であげた「NPO多言語多読」の3原則ですが、最初の「辞書を使わない」というところに特色があります。原則ですから、文字通り辞書を多読中は一切使わないということです。そしてこのことについては一部教育界や有識者から疑問があがっているようです。
辞書を使わない・・・これは日本で行われている、いや世界でもそうかも知れませんが、第2言語としての英語教育に真っ向から挑戦する原則かもしれません。
さらに「NPO多言語多読」は、語彙も文法も特別に覚える必要なないと言っています。ここまでくると、ほぼ完全にこれまでの英語教育の全てとは言わないまでも、その根幹を否定しているように思います。
この英語学習に対する「哲学」に対して、既存の英語教育関係者から批判がでない理由がむしろ思い当たりません。
例えば先に例をあげたTOEIC900点保持者を再度例にとります。
普通に考えて彼は語彙数にして訳10,000語とおおよそほとんどの英語を理解するに足る文法知識を持っていると思われます。その彼も「絵本」からスタートする必要があるのでしょうか?
しかし、実際に彼が「英語圏では10歳の子供で読めるハリー・ポッターをスラスラ読めない」のであればやっぱり必要なのかも知れないのですが・・・
どうでしょうか?あなたはどう思われますか?
多読の方法論についてはControversial な一面もある。このことを踏まえつつ、興味を持たれたら『英語多読 すべての悩みは量が解決する!』繁村一義 、酒井邦秀共著」を一読してもらえればと思います。
詳しいメソッドの内容やハリー・ポッターやスティーブン・キングの”IT”を堂々と読みこなしてしまう中学生の事例についても書かれています。
わたしの個人的な感想は、このやり方で一から体験したわけではないのですが、充分に興味深いというものです。

というのも、わたしがアメリカの大学に留学していた時のことです。とにかく大量のテキストやら関連文献を読み込まないとついていけないんですよね。なので「どうしても」という以外は大意が取れれば良し!という感じできるかぎり「早く」読んでいました(それでもネイティブのクラスメイトからしたら超低速だったと思いますが(;^_^A)。そうしていくと何がいいかというと、次第に英語をダイレクトでイメージやら考えをとらえることができるようになっていくんです。
多読という方法は英語学習の「王道」だと思っています。イメージ力を養成する必要性も全く同意です。ただ、絵本からスタートというところに若干の不安というか、目指す場所への道のりの遠さ?がどんなものかと思う気持ちもないではないですが、案外に楽しいかもしれませんね。
句動詞が自然にイメージ化できるように
「句動詞」に関連する記述(ちなみに句動詞」という用語は使われていませんが)が上記著作にでてくるのですが、これには興味をそそられました。
以前の記事で句動詞については書いていますのでそちらも参照してほしいと思いますが、ここで簡単にポイントを説明します。
句動詞とはgetやtakeなどの超基本動詞にforやinなどのこれまた超基本前置詞が組み合わされたもののこと。厄介なのは意味が複数あることです。
ひとつの組み合わせの句動詞でも10個を超えたり、ひとつの動詞に組み合わされる前置詞も前置詞の数だけ?あるような場合もあります。
こんな「簡単な中学校で習うような語句」にもかかわらずその全容を把握するのはとても大変なわけですが、上述の著者に言わせればこの句動詞も自然に多読をしていく過程で習得ができると言っています。
英和辞典に出てくる全ての日本語の意味が暗記できるということではなく、句動詞のコア(核となる)イメージを身につけることで「全てわかる」ようになると明言しています。
しかも英語圏では幼少期から「簡単な」動詞や前置詞を徹底的に国語として教えるわけだから、多読を始めて比較的早い時期にマスターできるとのこと。
これは、動詞と前置詞のそれぞれの作用のイメージ化をもとに「暗記することなしに」意味を掴む方法論を紹介した記事(先述)の意図と寸分違わないわけで…これを「多読」という方法でアプローチするというアイデアに関心しました。
しかも子供用のテキスト(絵本を含む)こそ最適だと言う…
多読することで句動詞は自然と身につけることが出来るというのには目からウロコですね。そう言われてみればそうだなと頷ける説得力があります。
http://breakthroughenglish.work/2019/03/27/visualizing-english-2/
以上「NPO多言語多読」の多読メソッドを紹介しました。2002年にこのメソッドを提唱されてさまざまな批判も受けながら今日まで実績を残してきた方法論です。試してみる価値はあるのではないでしょうか。
その他の多読素材
一方で、多読は良いけれど、絵本に興味が持てないといった場合もあると思います。その場合は、何度も言っているように自分の興味のある本を手に取れば良いでしょう。
コツは前回の記事で述べた通り、出来るだけ薄い本を選ぶこと。もし日本語翻訳版が出ている本であれば先に読んで大筋をつかんだ上で取り組めばグッと理解も進みます。
本があまり好きではないとか、気分転換に、ということであればコミックスもいいですよね。
日本のマンガの英訳版もありますし、アメコミというチョイスもあります。
また、YoutubeやHuluなどの動画サイトを使うのも良いですね。音も学べるので一石二鳥です。

おすすめのツール
Kindle Unlimited
公式サイト:Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)
Kindle Unlimtedはアマゾンの電子書籍キンドルが読み放題で利用できるサービスです。
料金は月額980円です。
今回のテーマの洋書を始め、ビジネス書、実用書、小説、雑誌、コミックスまで幅広いジャンルを網羅、100万冊以上から選び放題です!
無料アプリのインストールでスマホ、タブレット、PC、Macなどどのデバイスでも好きな本を好きなだけ読むことができます。
100万冊ですからね。これはもうちょっとした図書館を持ち歩いているようなものです。
洋書の品揃えも入れれば言えばそれ以上かもしれませんね。
わたしもアンリミテッドの会員ですが、便利で仕方がないです。
気になった本は片っ端からチェックできますから、立ち読みしているような感覚です。
もちろん予想どおり、期待通りの内容であればそのまま読みすすめればOK。
しかも通常の本一冊分より安い金額で1ヶ月読み放題ですからね。やめられません!
参考記事:【体験レビュー】Kindle Unlimted を3カ月使って
ちなみに洋書は[カテゴリー]→[キンドル洋書]→ 読み放題対象タイトルで絞り込み検索ができます。
上記の多読のポイントで述べましたが、本がいまいち面白くないなと思ったらすぐに違う素材に切り替えましょう。
そんな時にKindle Unlimitedの読み放題のメリットが発揮されます。躊躇なくしかもスピーディに変更できて多読にピッタリです。
また以前の記事で紹介した翻訳本を読んでから原書にあたる方法もKindle Unlimitedなら2冊買っても料金はいっしょです。読み放題のアドバンテージを活かしきれるからいいですね。お財布にとっても優しいです(*^^)v
30日間無料体験サービスがありますから試してみてください。
始めに有料会員登録が必要ですが、以下の通りキャンセルも簡単ですから、安心して「お試し」できます。
Kindle Unlimitedの会員登録をキャンセルする方法
- [Kindle Unlimited 会員登録を管理](Amazon.co.jp PCサイト)にアクセスします。
- [メンバーシップを管理]の下に表示される[Kindle Unlimitedのキャンセル]をクリックします。
- 会員資格を[日付]に終了をクリックしたら会員登録が解除されます。
公式サイト:Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)
まとめ
今回は「多読」を具体的にそのおすすめ素材やツールについてみてきました。
途中、NPO多言語多読の多読法についても触れました。こちらのNPOの多読はより多読法としての方法論が厳密であるのが特徴でした。
ただし、上記方法論では多読だけで英語の習得が可能であると示す一方で、他の学習法との併用も有効であるとも言っています。
あらゆる学習法に「向き・不向き」があるのですから、あまりガチガチに考えずに色々と「多読」を試してみるのも良いのではないでしょうか。
全ての多読法の共通項は楽しむこと!ですからね。気楽に楽しめばいいと言うことです。
それでこそ、英語上達の王道ですよね?
That’s it, and thanks so much for reading the article!
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