「TEDで学ぶリスニング」で使うツールと具体的な学習方法について
前回は「TEDで学ぶメリットと効果」などについてお伝えしました。
今回はTEDを使ったリスニングトレーニングをより簡単にするツールと具体的なトレーニング方法を紹介します。英語とプレゼンの両スキルを学べるちょっと欲張りな方法です。
プレゼン機会の多いビジネスパーソンに特におすすめです!
ツールの準備
まず、英語と日本語の字幕が出せるENGLISH AUDIO BOOKSというアプリをダウンロードします。
ENGLISH AUDIO BOOKS について
ENGLISH AUDIO BOOKSには、TEDのプレゼンテーション動画が1,000以上収録されており、その最大の特徴は日本語と英語の字幕が同時に表示できることです。
動画をバックグラウンド再生させながら、2か国語同時の字幕に加えて、日本語または英語の字幕だけ出すことができます。
もちろん字幕無しの動画再生もできます。
TEDでも英語の字幕を出せる動画も多くありますが、日本語の字幕については全てにあるわけではないのでEABアプリを使うと便利です。
無料ですのでまずは気楽にダウンロードしてみてください。
公式サイト:ENGLISH AUDIO BOOKS
静止した英語の字幕であれば内容は問題なく理解できるという場合は、後述する日本語字幕のステップは飛ばしてください。
日本語はあくまで初心者に背景情報を持ってもらうためですから、本来は〈日本語を介さないこと〉が理想なのでTEDの英語字幕のオン/オフだけでOKです。
TEDを使ったリスニング&スピーキングトレーニングの方法

©TED
教材にするTED動画を選ぶ
アプリをダウンロードしたら早速、動画を選んでいきますが、ここで気をつけたいポイントが3つあります。
- 興味のある分野
- レベルを合わせる
- 真似したいプレゼンスタイル
興味のある分野から動画を選ぶ
前提条件として興味のある分野を選びましょう。
ポイントはプレゼンの内容自体が学びになるかどうかです。
せっかくですから内容も学べるものがより良いですよね?
興味のある内容であれば内容も頭に入りやすいし、語彙も定着しやすい。
あなたの脳を活性化させる、そんな刺激的なものを選びたいですね。
レベルを合った動画を選ぶ
ちょうど良いレベルの素材を選びます。
いくら興味を惹くトピックでも、あまり背伸びし過ぎると、やっぱり英語学習の面からはちょっとしんどくなります。
英語字幕が再生(結構早く流れます)されるのを見ながら大意がわかればOKですので、目安にしてみてください。
字幕を静止させてもわからないようであれば、やはり違う素材をあたりましょう(以下、初心者の対応方法を参照してください)。
真似したいプレゼンスタイル
プレゼンターの英語の種類をチェックしましょう。
アメリカン・イングリッシュがあなたの話したい英語ですか?
もしクイーンズということであればイギリス人のプレゼンを選ぶべきですよね?
英語は英語ですが、それぞれ「違う国」になって200年以上経ちますから、発音も違えば文化も違います。
語彙の選択、ジャスチャー、態度、ユーモアのセンスも含め、プレゼンテーションのスタイルは異なります。
自分が話したい英語や真似したいと思えるスタイルの動画を選びましょう。
初心者の対応方法
初心者の場合は、得意な分野のトピックで日本語字幕で内容をつかんでからスタートしてください。
それでもちょっと厳しいなと思ったら無理することはありません。
その場合は、動画の語彙レベルを下げたものを探すか、語彙と文法知識を仕入れるかです。
TEDで思うような動画は見つからなければイングリッシュセントラルを試してみてください。
10,000本以上の動画コンテンツによるeラーニングとオンライン英会話が組み合わさったユニークな学習プラットフォームです。
TEDと同じようにさまざまな分野の動画が用意されていますが、初心者から上級者まで学べるようにレベル分け(7段階)されていますから無理なく取り組めます。
動画は無料で学べますので試してみてください。
公式サイト:格安オンライン英会話【イングリッシュセントラル】
トレーニングの順序
トレーニングは5ステップを提案したいと思います。
リスニングだけでなくせっかくの優良コンテンツですから、お手本にスピーキングのトレーニングも加えます。
プレゼンの練習になるうえ、声をだすことで聴覚を刺激するので、リスニングトレーニングの効果もさらに高まります。
- 日本語字幕で観る
- 音を消して英語字幕を速読する
- 字幕なしでディクテーションする
- 英語字幕で答え合わせする
- プレゼンをリピーティングする
ディクテーション
ディクテーションとは、英文を聴いてそれを書き取っていく方法です。もうこれ以上無理!というくらい粘って文章を単語をすべて書き取ります。
語彙とかリンキングの問題で聞き取れなかったという原因がわかるのがメリットです。
通訳者養成のスクールでも使われ、多くの人が効果を認めるメソッドですから、ちょっと大変ですがそれだけのことはあります。
参考記事:「ディクテーション|通訳者養成で効果実証済みの英語学習方法」
リピーティング
リピーティングとは、再生された文単位で一時的に記憶しそっくり繰り返すトレーニングです。
センテンスごとに一時休止してそっくり繰り返します。「完全コピーできた!」と思ったら以下のコツを意識して10回繰り返します。
長い文章は文字でなく、意味やイメージを保持して、それを頼りに再生しますから、短期記憶が鍛えられる効果があります。
センテンスをそっくり真似て発音するので、ネイティブのような自然のリズム、アクセント、リンキングが身につきます。
リピーティングのコツ
セリフを真似るようにリピーティング – 3つのコツがあります。
- 意味を意識してやる
- 聞き手がいるかのようにやる
- 完璧に出来なくても良い
意識を変えることでさらに効果的に!
まず音に意識が行くわけですが、できれば「意味」に意識をシフトします。
音のかたまり(チャンク)ごとに意味を意識しながらリズムよく発音します。
そして最後は感情移入して「自分の言葉として相手に伝えるような気持ち」で発話します。
身振り手振りも入れるとより効果的です。
スピーキングのトレーニングの観点から、同じ性別のプレゼンターのものを選んだほうが良いです。声のトーンや息遣いも真似がしやすいと思いますので。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
TEDを使ったリスニング&スピーキングトレーニングについてお伝えしてきました。
トップクラスのプレゼンテーションを素材にして、英語のみならず、プレゼンテーションまで学ぼうというちょっと欲張りな企画でした。
プレゼンの機会の多いビジネパーソンには特におすすめです。直接的な恩恵が期待できます。
ぜひ一度試してみてくださいね。
That’s it for today, and thanks so much for reading the article!
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