INTEGRITYとは?グローバルビジネスで求められる価値観

インテグリティという資質
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INTEGRITYとは?グローバルビジネスで求められる価値観

「出世する人の人の英語」(小林真美著)…「『できる人』と『できない人』の英語はこんなに違う。」とのコピーが添えられている本をとあるブックカフェで発見。

このタイトルにコピー…気になりませんか?

わたしはとても気になりました!(笑) ですので、速攻で買ってコーヒーを片手に読み始めました。

すると”Integrity”という言葉にまつわる話が出てきたのです。

アメリカ人が最重要する「価値観」- それが Integrity(インテグリティ)だと。

著者の小林真美さんは、NYU(ニューヨーク大学)のMBAを卒業されて、22年間米国系企業に勤められた経験の持主。

彼女が在職中にその「価値観」の重要性をアメリカ人の上司からみっちり叩き込まれたのが、インテグリティについてだったそうです。

INTEGRITY

辞書的な定義で言えば、高潔・誠実・真摯といった意味。一貫性や完全と言った意味もあるようです。多義的で、ちょっと並々ならぬ雰囲気を醸し出している言葉ですよね?

今回はこのインテグリティとは何か明らかにしていこうと思います。

以前にグローバルに活躍したいビジネスパーソンは英語だけではスキルが足りないという記事を書きました。自分の意見を自信を持って発信する力とさまざまな価値観の相手とコミュニケーションを深めることができるグローバルマインドを合わせたスキルセットが必要であると(下図参照)。

これからお伝えするインテグリティはそのスキルセットを十分に活かすための土台になる人間としての資質についての話です。

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インテグリティという行動様式

インテグリティという概念ですが、価値観であると同時に(一貫した)行動様式のような意味合いもありそうです。

わたしは今ちょうど別件で「公益通報者保護」に関するアメリカなど海外の法制度についてリサーチしています。そしてこの制度こそ今回のトピックであるインテグリティにとても関連していると思うのです。

公益通報者保護制度

通報者とは内部告発者のこと。つまり企業や行政の不祥事や不正を告発する内部告発者です。

この通報が発生するのは、組織のインテグリティの欠如が原因であり、広く一般市民に被害が及ぶことを憂い告発に至るわけですが、これを公益通報と言います。

そしてこの善意の通報者(つまりインテグリティを持つ内部告発者)が、組織から報復人事などから保護するための法律が日本の公益通報者保護法です。

アメリカではこのような保護法がいくつも存在します・・・と言うよりも、世界に先駆けてこのような法律を制定し始めたのは他ならぬアメリカであり、ヨーロッパ各国そして日本もそれに倣って制度化したのが実状です。

今でこそコンプライアンス経営は一般的になりまりましたが、アメリカはまさにその先駆者です。

このような近年のグローバルな企業経営のあり方や法制度の流れも、これからお伝えするドラッカーが1950年代に提唱したインテグリティが背景にあってのことと推測するわけです。

組織のリーダーに最も必要だと説いた資質

話をインテグリティに戻しますが、この言葉を企業経営に係る文脈で紹介したのが、かの経営学の創始者であるP.F.ドラッカーです。

ドラッカーが組織のリーダーに最も必要な資質として、能力や才能よりもインテグリティをあげました。

それだけ重要なインテグリティとは一体どんな資質を指すのか、これから具体的にみていきます。

Integrityとは何か?

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ドラッカーの定義

ドラッカーは、1950年代に上梓したThe Practice of Management (現代の経営)で言っています。
「能力や知識が少ない上司のことを部下は認めないということはない。ただし、その上司にインテグリティが備わっていればの話。もしなければ、上司を信用することはできるわけもなく、その組織は早々にモラル崩壊の危機に晒されることになる」と。
ドラッカーは、インテグリティの定義は「インテグリティのない人間」の特徴を示すことで説明できると言います。
インテグリティに欠ける人間の特徴
  1. 強みよりも弱みに目を向ける者を、マネジャーに任命してはならない。できないことに気づいても、できることに目のいかないものは、やがて組織の精神を低下させる。
  2. 何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者をマネジャーに任命してはならない。仕事よりも人を重視することは、一種の堕落であり、やがては組織全体を堕落させる。
  3. インテグリティよりも、頭のよさを重視する者をマネジャーに任命してはならない。そのような者は人として未熟であって、しかもその未熟さは通常なおらない。
  4. 部下に脅威を感じる者を昇進させてはならない。そのような者は人間として弱い。
  5. 自らの仕事に高い基準を設定しない者もマネジャーに任命してはならない。

(出典:VILIANT, Management Collage)1

アメリカ人の価値観だけれど日本人としても腑に落ちるところがありませんか?

最低でも不可解ではないですよね。

詳しいわけではないのですが、高潔・真摯というイメージは武士道に通じるようなところもあるような気がしますし。

Integrityを身につけるにはどうするか?

あなたがグローバルに活躍したいなら、インテグリティが備わっているか問わなければならないでしょう。

そのうえで、さまざまなビジネススキルがあれば言うことなしのグローバルビジネスパーソンです。

しかしなかなか一貫して行動できているかと言うとなかなかそうもいきません。

ではどうすればインテグリティを身につけることができるのでしょうか?

それにはまずはインテグリティが実践できているか、まずは意識していくことではないでしょうか。

実際の自分の行動をインテグリティの観点から自己評価することから始ましょう。

まとめ

インテグリティを身につけるとどうなるのでしょうか?

とても信頼の高い人間として評価されるだろうというは想像に難くないですよね?

もしあなたがアメリカ系の企業で働いている、あるいは働きたいと思うのであれば必須の資質です。

冒頭の「出世する人の英語」の小林さんに言わせれば、この資質がないようであればズバリ出世できません。就職・転職する時点でかなり難しいかも知れません。

そしてこのインテグリティという価値観はある程度グローバル…ユニバーサルと言った方が良いかも知れないですね。

アメリカの価値観が全てではない、世界はもっと多様であるとも承知していますが、しかし一貫して高潔な行動を取れる人間を重んじない社会などあるのでしょうか?とも思います。

もちろんアメリカのようにビジネスパーソンとして最上位の資質と言い切るまではいかないかも知れません・・・それでもこの資質は悪いものではないと思うのですが、あなたはどのように思いますか?

That’s it, and thanks so much for reading the article!

適性検査LP

footnote

  1. “インテグリティ(Integrity,≒高潔、誠実、真摯)の意味と語源.” コミュニケーション能力向上講座とリーダーシップ講座のValiant MC, VALIANT, Management Collage, valiantc.com/integrity/integrity-meaning/.

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